"LSD1820 Propaganda Module" 幻覚の向こうに浮かび上がる異形のサンプラー/シーケンサー。
独自の世界観でウルトラニッチ街道を突き進み、一部の需要に強烈に応えるミッドファイエレクトロニクスから登場した最新作はなんとサンプラー/シーケンサー。ついにはギターペダルであることさえ放棄したのか。ミッドファイでしか成し得ない倒錯した思想が撒き散らされた異形のデバイスであり、完全にオリジナルなサウンド設計は今回も健在だ。
この特殊なデバイスはミッドファイエレクトロニクスのビルダーであるDougが長年温めていたアイディアであり、数種のプロトタイプを
経て製品化された。極一部の好事家たちの間では話題となっており、ソールドアウトが続くところを特別に日本向けにも数台譲ってもらった次第だ。果たして国内にミッドファイを好むマニアの方たちがどれほどいるのかは疑問だが、一部のイカれた思想をお持ちの方々には、ぜひゲットして合法なトリップを体験していただきたい。
LSC1820 Propagande Moduleは4つのサンプリングチャンネルを備えている。サンプリングは本体に内蔵されたチープなコンタクトマイクで行い、なんともチャーミングな音質。録音ボタンは本体に搭載されたモーメンタリー式だが、外部スイッチでの制御も可能な謎の親切設計。各チャンネルはサンプルレートの設定を備えており、断末魔のような高音からおどろおどろしい地響きのようなサウンドまで、テクスチャーを一気に反転させられる。Gateをオンにすればディケイは極端にカットされ、ビートメイクに貢献するサウンドとなる。この4チャンネルはシーケンスをさせることが可能で、奇妙なサンプルたちが手を取りラインダンスを踊り始めるがごとく、異形のグルーヴが形成されていくのだ。
フリーキーな思想で制作されたデバイスのためハマる人はハマるし、それ以外の方々には全く興味のないデバイスとなるだろう。Dougもいつまで作ってくれるか不明のため、幻覚に侵された好事家の方々はすぐにゲットするのが吉。
*ガジェット系シンセのため、環境によっては出力レベルが小さいことがあります。
ライン入力ではなく、Hi-Z入力やギターアンプに繋ぐとレベルが稼げて更にローファイになっていい感じです。
各コントロール解説
・Arm: 録音するチャンネルを選択
・Rec: 押している間、選択したチャンネルへ録音を行います。
・Volume: 全体の出力ボリューム
・Speed: シーケンサーの速度/各チャンネルのサンプルをトリガーする速度
・Sample Rate: 現在録音中、または 各チャンネルに録音されたサンプルのスピード/ピッチ/音質を変更します。サンプルの録音中は、このコントロールは反時計回し切から3時の間で設定できます。それを超えるとサンプルが録音されません。
サンプルがプレイバック中はどの位置でもOKです。
・Gate/Off/Full: 各チャンネルのサンプルの再生スタイルを選択します。
Gate: シーケンサーがチャンネルに入るたびサンプルがトリガーされ、次のチャンネルに移動するとプレイバックは止まります。
Off: 再生を無効にします
Full: シーケンサーがチャンネルに入るたびサンプルがトリガーされ、サンプルが終わるまで再生されます。
・Mic: サンプルを録音する内蔵マイク。録音時の距離が近いと、ボリュームが大きく歪んだサウンドに。距離をとって録音すると静かでノイジーでガサガサとした質感、クリック音などの要素がより強調されます。
・Remote: ノーマリーオープンのスイッチを接続すると、Recボタンの代わりに使用ができます。ハンズフリーでのパフォーマンスに最適。
・OutPut: アンプやミキサーへ接続します。
電源: 9VDCセンターマイナス、消費電流おおよそ60mA。
*mid-fi electronics製品は基本的に入荷時期によって、グラフィックデザインや色、ノブの種類などの外観が異なります。またハンドメイド品の為、細かな塗装のクラックや傷などがございます。本ページに掲載している写真は「外観の一例でモノクロ写真」となっております。現在弊社に入荷している製品の外観に関する詳細をご確認されたい場合は、別途お問い合わせください。